Googleを使って、こんな比較をしてみました。 「事業再生」と「事業承継」の検索ワード数の推移です。 「事業再生」(青いライン)は2003年以降の事業再生ブームに乗り勢いを強めましたが、 主として金融機関の不良債権処理に伴うもので一度は「事業承継」と並びます。 しかし、リーマンショックが怒るや否や「事業再生」がグッと急上昇します。第2次事業再生ブームです。このころになると金融円滑法に伴う各地域の中小企業再生支援協議会(以下、支援協)スキームが主体となって、主として「リスケジュール」が主流となります。リスケジュールは基本的に「会社を潰さない」措置であり、返済を猶予することがメインです。支援協や金融機関は「リスケ期間中に抜本的に経営改善をして下さい」という指導をするわけです。 ただリスケ措置を受けた一部の会社は、「返済が減ったので救われた」という妙な安堵感で、根本的な問題解決を先送りにしました。結果、リスケジュール時に策定する「経営改善計画」の数値目標は乖離が多くなり、立法趣旨からかけ離れた「問題先送り」による弊害が生じました。返済猶予を受けているから生きている企業を「ゾンビ企業」といいますが、これが結構多いのです。 安倍政権になり、「日本再興戦略」が策定されましたが、政府の方針としては「ゾンビ企業は廃業ないしは倒産処理、良い企業は積極的に支援する」という峻別を行うよう各金融機関にプレッシャーをかけています。 「事業再生」に対して、にわかに注目を浴びてきたのが「事業承継」(赤いライン)です。英語でビジネスサクセッションといいますが、個人的には「事業承継」という言葉はあまり好きではありませんし、グラフの通り「事業再生」に比べて「事業承継」という言葉は殆ど浸透していません。世間的には「自社株の相続」の問題として税理士専売特許業務、という位置づけです。ただ、昔と違うのは事業戦略や事業領域の再定義、あるいは広域業務提携や新分野への移行など、かなり複雑かつ広範囲なものも「事業承継」という言葉には含まれています。これは事務ながら着実に注目を浴びてきているようですが、まだまだ啓蒙が足りないようです。(「承継」と言う言葉がちょっと堅いイメージなんですよね。サクセッションだったらなんとなく耳障りがいいですね) ちなみに「事業再生」の検索が多い都道府県の表が↓です。福島は震災の影響も多いのだと思います。 一方、「事業承継」は東京都などの大都市圏、結構裕福な県がランクイン。 「事業再生」というとちょっと暗いイメージを、「事業承継」だと明るいイメージを持つ方がいらっしゃいますが、当社としては言葉は違うが、考え方はほぼ一緒と考えています。
「事業承継」ができても「事業再生」は苦手、という専門家が結構いますが、「事業再生」が得意だと「事業承継」はその技術の転用なので、特段区別しないでシャカシャカやっちゃいます。 中小企業において事業承継が難しい理由のひとつに「多額の負債を抱えている」という会社が多いのではないでしょうか。事業価値に現預金と投資有価証券などの非事業資産を足すと「企業価値」が算出されます。しかし、「企業価値<負債」だと、承継した人がマイナスから始めなければいけません。後継者がマイナスから始めなければならないとすると、それは誰も会社を継がないでしょう。(当たり前) 要は「承継できる価値のある企業になる」ことが大切。今からでも頑張られてはいかがでしょうか。 当社としては、その頑張り方、適切な事業承継計画の策定などをクライアントの皆様と一緒に考えるよう準備をしており、その際の専門家集団とも協力しながらアドバイスが出来る態勢を整えております。 お気軽にご相談下さい。 |
ブログ著者[認定経営革新等支援機関] アーカイブ
5 月 2020
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