【スワドク】学術書を読む

2022-01-17

鈴木哲也著『学術書を読む』を名前に惹かれ、本棚で「積読(つんどく)」状態の本たちが出番を待っている姿を思い浮かべ思わず購入した。本書は専門外の専門書を読むことを出発点としているものの、専門としたい分野の専門書を読みこなせない私にとって非常に興味深いものとなった。

「わかりにくい」と言われる本は、たいていの場合、理解するにはそれなりの根気と時間と好奇心を必要とする程度のもので、わからない部分に出会ったらそこで立ち止まり、しかし投げ出さずに理解できるのを待つ、としている。さらに、数理生物学者の三中信宏氏は、「塩漬け」にして、放り出してしまえば腐ってしまうものを長時間かかっても塩漬けにして取っておけば熟成する、としており積読もあながち間違いではないかもしれない。

ただ、出版人の三浦衛氏は、わからないときは「補助線」が引かれるのを待つそうで、別の要因が入ってきたときに、それが「補助線」になって面白くなる日がきっと来ると思って読むのだそうです。こうした補助線を増やすための使える選書法として①自らの専門から遠い分野、②自らの専門に比較的近い分野、③古典、④現代的課題についての本など「専門外」の四つのカテゴリーをあげています。

若いころ書籍分野が偏らないようにと書店社長の推薦本を毎月購読したことを思い出し、自らの専門分野と古典には挑戦したい。特に異なる価値観が対立し、分断しかねない今日において、「異なる専門領域を越えてともに現代の諸問題を取り組むための共通の認識であり議論にあたって共有すべき価値観を作っていく上での、いわばメタ知識(上位と知)となる」ため古典には挑戦したい。1冊をじっくりと余さず読み尽くし、その本が訴える「大きな問い」に触れるように取組む。まずは塩漬けにしているチャンドラー著『組織は戦略に従う』に挑戦したいと思う。

シニアパートナー 諏訪 博昭 (経済学博士・中小企業診断士)