【スワドク】 -5- 「コストコ」がやっと来た

2022-06-26

「コストコ」が6月23日壬生町に開店した。初日は午前8時の開店予定時間を2時間以上繰り上げて5時40分に開店したことからも期待の高さがうかがわれた。人気の高さは開店前の会員募集の段階から既にあらわれており、私が6月15日に会員の事前登録に行った時には、既に開店しているかのように多くの来店者がいた。こうした新規会員に加え、既存会員で前橋・つくば・ひたちなかまで行っていた地域の人々や関東近郊・福島方面からどっと来たのだろう。

 コストコについては、以前から栃木県内に出店するという話は聞いていた。宇都宮IC・上三川IC・鹿沼IC近辺等への出店がささやかれながらも地元との調整がつかなかったのかなかなか実現せずやっと壬生に開店した。

 前橋開店早々に見学した当時、前橋のイメージは市内の中心街は来街者が減少し、経済的には隣接する高崎に吸収され衰退しつつあるように思えた。そこへコストコ、カインズ等をはじめとした商業施設が整備され、駐車場には「とちぎ」ナンバーのみならず「宇都宮」ナンバーも目立ち、商圏の拡大・地域経済の活性化がうかがわれた。栃木県もやっとそのスタートラインに立ったのだろうか。

 私は入場制限に従い2日目に行った。栃木街道や壬生インター方面からは渋滞が予想されたので、石橋方面から北上したためさほど待たずに入店できた。倉庫内は大きなカートに大量の商品を積んでいる買物客がただ安い商品を求めているのではなく、買物を楽しんでコストコならではの商品を求めてゆっくりと店内を動いているように見えた。ただ私たちは、店内が非常に広いため、目的の商品を探し求めて右往左往していた。

消費者からは期待されている一方で地元への影響を懸念する声があるのも事実であり、人件費の高騰・人材不足への懸念もある。ホームページでは時給1,500円以上で人材を募集しており、近隣の時給相場からすると非常に魅力的だ。それが地域企業の人件費高騰を招き経営を圧迫しかねないという。これは県北で化粧品会社の工場建設の際に地元企業での正社員の退職が続いたこととも似ている。

ただこれは懸念事項なのか。一企業の短期課題として人件費高騰・人材不足に影響を及ぼす可能性はあるものの、地域経済にとっては雇用の確保と賃金上昇による活性化・地域住民の所得増加につながるとともに、何よりも強力な集客能力を有する商業施設の来店者に対するビジネスチャンスの創出にはならないのだろうか。

 これらの事象をリスク・脅威と考えるか、チャンス・機会と捉えるかで今後の地域経済の方向性が大きく変わるのではないか。当面は混雑で交通渋滞等負の側面が見られると思うが、ガソリンが155円/ℓと近隣より10円程度安く給油できることもあり、給油のついでに地域経済の活力や前向きな変化を期待しつつ注視していきたい。

シニアパートナー 諏訪 博昭 (経済学博士・中小企業診断士)